毛皮のお手入れ方法(3月編)&お母さまのミンクのコートをお嬢様がロングベストにして着たい♪と、リフォームさせて頂きました。
こんにちは。毛皮と革の店SUN RASCAL(サン ラスカル)です。
陽ざしは暖かいものの、風はまだまだ冷たく、
寒暖の激しい毎日でしたが、ようやくポカポカ春めいてまいりました。
さて、本日ご紹介させて頂くのは、この時期、気になる≪毛皮のお仕舞の仕方≫を少し。*^^*
まづは、ちょっと毛皮屋のウンチクを!(笑)
毛皮は、文字通り「毛」と「皮」からできています。
毛皮にとって重要な毛の部分は、刺し毛(さしげ)と綿毛(わたげ)から構成されています。
良い毛質の条件として、
①刺し毛と綿毛のバランスが良い事。(特に綿毛の密度が濃いもの)
②光沢の良いもの、背中心の柄が鮮明なもの。
③触った時にシルキーでソフトなもの。
…などが、挙げられます。
…と、毛の部分ばかりがクローズアップされがちなのですが、
ところがドッコイ!!毛皮屋が重要視しているのは、もちろん「毛」は大切なのですが、
それよりも「皮面」(毛の裏側)なのです!
当社では、以前購入された毛皮のコートやボアーなどのフォームもさせて頂いております。
それぞれ皆さま、毛皮にまつわる想い出や素敵なストーリーがございます。
お客様の大切な毛皮だからこそ、私たちも慎重に、丁寧に、時間をかけて「お客様の期待にこたえる」よう、作業を進めております。
作業に当たり、「皮」の部分の劣化が激しいと、いくら表面の「毛」の部分が綺麗でも、作業出来ない事がございます。
原因としては、「皮」の硬化、カビ、乾燥、劣化…などなど です。
一見分からないのですが、裏地を剥ぐってみて初めて分かるケースや、
作業を進めていて「皮」の劣化が酷く、縫い目を解いたり針を刺していくと、皮が裂けてくる場合があるのです。
そこで、皆様に毛皮のお手入れ方法(3月編)のお知らせです♪
{1、衿、手首など毛ぐせがついた時}
濡れたタオルで毛先の部分を軽く濡らすか、または霧吹きで軽く水を吹きかけて、
目の荒いコームや金グシなどで、軽くブラッシングし、毛並みを整えます。(毛が抜けたり痛まないよう注意して下さい)
その後、日陰干しで自然乾燥させれば、たいていのクセはとれます。
ただし!その際に、皮の部分まで濡らさないように十分ご注意下さい。
{2、ホコリにご注意}
毛皮は、ホコリがつきやすく、一回の着用でも吸い込んでしまします。そのまま放置しておきますと、毛抜けの原因になる場合もございます。着用したら、毛を痛めないように、軽く叩いてホコリを落としておきましょう。
{3、雨や雪などで濡れた場合}
雨や雪に限らず濡れた場合は、よく振って水を切ったあと、乾いたタオルで丁寧に拭き上げ、ゆっくり日陰干し乾かしで自然乾燥させましょう。
万一、皮まで濡らしてしまった時は、毛皮専門店や毛皮取扱いのクリーニング店に早めに相談しましょう。大量の水分を吸った皮は、なめしが戻って硬化したり、破れたり、劣化の原因となるからです。
細かいことは色々あるのですが、この3点!お仕舞の時期に是非、参考にして頂ければ…と、思います。
何か分からない事や、ご相談などございましたら、メールやお電話などで、ご遠慮なさらずお問い合わせください*^^*
また、クリーニングやリフォームも随時受け付けております。お気軽にご相談くださいませ*^^*
【今回掲載させて頂いた画像は、お母さまのミンクのコートをお嬢様がロングベストにして着たい♪と、リフォームさせて頂きました。】